電磁鋼

電磁鋼(でんじこう、magnetic steel)とは、電気エネルギーと磁気エネルギーの変換効率が高い鋼のことである。1900 年、イギリスのハドフィールドが発見した。

主に、発電所の発電機、変電所の変圧器、モーターの鉄芯に使われる。近年ではモーターの鉄芯用が、ハイブリッドカーに搭載されるようになっている。そして、ハイブリッドカーの性能を左右する重要な部品の一つとなっている。

電磁鋼は鉄にケイ素を添加することによって製造できる。ケイ素添加量が増すごとに、鉄損(磁化したときに鉄が消費するエネルギー)が低下する。しかし、ケイ素を添加しすぎると、鋼が割れやすくなる。実用的な電磁鋼のケイ素添加量は約4%ぐらいまでである。しかしこのケイ素添加量や添加工程、またケイ素を使わない電磁鋼もある為にこれらの製造ノウハウは各鉄鋼メーカーが独自に持っており内容は社外秘扱いとなっている。製鉄所によっては機密保持の為従業員であっても電磁鋼生産ラインに立ち入る際、製鉄所の入構許可証と別に生産ラインの入構許可証がないと入れないところもある。よって具体的な添加量や製造法は各メーカーにより異なり公表もされていない。上記の添加量は参考までにとどめておく必要がある。

構造鉄鋼に求められる一般的な性質は、『強度』・『耐食性』・『加工性』などである。しかし、電磁鋼に求められる性質は、『低い鉄損』である。この意味で、電磁鋼は特殊な鋼と言える。

ホール効果

ホール効果 (Hall effect)とは、電流の流れているものに対し、電流に垂直に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象。主に半導体素子で応用される。1879年、米国の物理学者エドウィン・ホール(Edwin Herber Hall, 1855-1938)によって発見されたことから、このように呼ばれる。

p型またはn型の半導体試料において、x方向に電流を流し、y方向に磁場をかける。この時試料を流れている荷電粒子(キャリア)は磁場によるローレンツ力を受けてz方向に動く。これによって電流と磁場の両方に直交する方向に電場(ホール電場)が現れる。これがホール効果である。ホール素子などによる磁場の検出に用いられるほか、半導体の電気的特性の測定などに応用される。これは以下に示されているようにホール電圧がキャリア密度の逆数に比例するためである。ゆえにキャリア密度の大きい金属ではホール電圧が半導体に比較して微小な値となるため、この現象を利用した物性測定は半導体が主である。しかしながら、強磁性金属など磁化を帯びた物質中では、この磁化に起因するホール電圧が生じることもある。このような強磁性体の磁化に起因するホール効果を特に異常ホール効果と呼ぶ。また物質中のスピン軌道相互作用に起因してそれぞれ逆向きのスピンを有するキャリアが逆方向へと散乱されるスピンホール効果も近年注目を集めている。

継電器

継電器(けいでんき)は、動作スイッチ・物理量・電力機器の状態に応じて、制御用の電気信号を出力する電力機器である。

もとは有線電信において、伝送路の電気抵抗によって弱くなった信号を「中継」するために発明されたものであることから、通常はリレーと呼ばれ、Ryと略表記する場合が多い。ジョセフ・ヘンリーが発明した。 すなわち、小電力の入力によって大電力のオン・オフを制御することができ、それが当初の目的であった機器であるため、継電器を用いることを、時として「アンプする」というが、対象とするものを直に制御するよりは感電の防止など安全性や、操作性(設置位置、遠隔操作)、その確実性等も増すことから、必ずしも電力的な増幅の目的にとどまらず、広範囲な目的で多用されている。

電磁継電器
カバーを外したリレー・下部が端子

電磁継電器(でんじけいでんき、Electromagnetic Relay)は、電磁石(巻線に制御入力電流を流すもの)により接点を物理的に動かし、開閉する継電器。「電磁リレー」とも呼ばれる。消費電力が大きい、動作(応答)時間が遅い、過電圧・電流に強い、高周波の制御も可能などの特徴がある。

接点の構成により

メーク(電流を流したときに接点が閉じる、a接点(arbeit contact)と呼ばれる)
ブレーク(電流を流したときに接点が開く、b接点(break contact)と呼ばれる)
トランスファ(電流を流すことで複数の接点を切り替える、c接点と呼ばれる)
ラチェット(電流を流すたびに接点の開閉を切り替える)

などがある。端子の

C は共通 (Common)
NO は電流を流さない時に開放 (Normally Open)
NC は電流を流さない時に接続 (Normally Closed)

をそれぞれ示す。

電磁石と並列に永久磁石を設け、バネ反動力よりわずかに弱い磁力かつコイル遮断時の復帰力以下で補助し少ない消費電力で駆動できるようにしたものを有極リレーと呼ぶ。 なお復帰力以上で補助すると一旦吸引したまま自己保持する。保持を解除するために 別のコイルで永久磁石の磁力を打ち消す あるいはコイルに逆向き電流を流して使用する方式のリレーをラッチングリレーといい火災報知器の受信機などで使われている
ソリッドステートリレー

ソリッドステートリレー (Solid-State Relay) は、サイリスタやフォトカプラなどの半導体素子を用いて、小さな入力電力で大きな出力電圧をオン・オフする継電器の一種。 solid-stateは字義どおりには固体を意味するが、慣習として可動部を持たないことも指す。応答時間が早い、小型軽量にできるなどの特徴がある(→半導体リレー を参照)。
プログラムリレー

プログラムリレー (Programmable Relay) は、複数の継電器の機能や組み合わせを一つのパッケージにしたものである。プログラムリレーの操作ボタンや外部のパソコン等を通じ、継電器の機能や組み合わせを変更することもできる。多数の継電器が必要となる回路を製作したり、機能変更を頻繁に行ったりするような場合に利用される。

磁石の種類

天然に産出する磁石として磁鉄鉱 (四酸化三鉄、Fe3O4) (マグネタイト)が挙げられる。古代からよく知られている磁石、磁鉄鉱(ないし砂鉄)と産出されていたのはこの四酸化三鉄である。現在でも砂浜で永久磁石を砂中にいれれば十分に視認することが出来る。羅針盤の指針を磁化することなどに用いられてきたが、非常に微弱な磁石である。20世紀に入ると、実用に十分な強度を有する磁石が人工的に作られるようになってきた。

磁石の原料として、3d遷移元素の鉄、コバルト、ニッケルが挙げられる。単体が室温で強磁性を示すのは、これら3つの元素のみである。さらにランタノイドのサマリウム、ネオジムも磁石の原料として挙げられる。単体では強磁性を示さないが、4f軌道に余ったスピンが存在するため、これらを原料とすることで強力な磁石が実現できる。なお、4f軌道電子はスピンと共に軌道運動も磁性に寄与している。

KS鋼
1917 年、本多光太郎らによって発明された磁石鋼。鉄、コバルト、タングステン、クロムなどを含む。1934年には新KS鋼が開発されている。
MK鋼
1931 年、三島徳七によって発明された磁石。鉄とニッケルに加えアルミニウムを含み、鋳造後600℃以上で焼き戻す。KS鋼よりも安価で、倍の保磁力を持つ。U型磁石、棒磁石、ゴム磁石(弾磁石)、丸磁石、玉磁石など色々な形のものがある。
アルニコ磁石
アルミニウム、ニッケル、コバルトなどを原料とした磁石である。20世紀半ばまで主流の磁石であったが、やがて安価で造形の容易なフェライト磁石などに主役の座を奪われた。
フェライト磁石
1937 年、東京工業大学の加藤与五郎、武井武によって発明された磁石。酸化物磁石の一つで、酸化鉄を主原料にして焼き固めて作る。

* 磁束密度は低いが、保磁力が高く減磁しにくい。
* 電気抵抗が大きく渦電流損が低く、高周波まで適用できる。
* 硬度は比較的に高いが割れやすい。
* 磁器なので薬品に強く、錆びない。
* 焼く前は粉末のため自由な形にできる。

酸化鉄にバリウムやストロンチウムを微量加えたものを焼き、1μmほどの粒子に粉砕したものを成型し焼結する。最後に電磁石によって着磁し、フェライト磁石が出来上がる。酸化鉄を主原料としているため安価かつ化学的に安定しており、様々な用途に用いられている。
若葉マークに使われているゴム磁石はフェライト磁石を砕いてゴムに混ぜて固めたもの。ゴムが主成分なので容易に切断することが可能。コピー機にはゴム磁石でできたロールが使われている。
サマリウムコバルト磁石
サマリウムとコバルトを原料としている。組成比の異なる「2-17系」と「1-5系」がある。「1-5系」は高価なサマリウムの比率が高いため、「2-17系」の登場以降あまり用いられなくなってきた。強い磁力を持ち、高い耐腐食性と良好な温度特性(200℃程度まで使用可能)を有することが特徴である。
ネオジム磁石
1984 年、住友特殊金属(現・NEOMAX)の佐川眞人によって発明された磁石。ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石の一つ。磁束密度が高く、強い磁力を持つ。鉄を含み錆びやすいため普通は表面に鍍金を施す。熱減磁が大きく-0.12%/K程度。キュリー点は約310℃。非常に磁力が強いため、ハードディスクやCDプレーヤーの駆動部分、携帯電話の振動モーターなどに使用される。

磁気単極子

磁気単極子(じきたんきょくし、Monopole)とは単一の磁荷を持つとされる仮想的な素粒子。モノポールとも言われる。

現在では、宇宙のインフレーションの名残として生み出されたと仮定されるものの一つである。2009年現在に至るまでその存在は観測されておらず、現在でもモノポールを観測する試みがカミオカンデなどで続けられている。

磁石にはN極、S極の二つの磁極が必ず存在し、この組み合わせを磁気双極子という。N極のみ、およびS極のみを持つ磁石、磁気単極子(モノポール)は現在まで観測にかからず存在しないと考えられている。例えば両端がそれぞれN極とS極になっている棒磁石があったとして、これを真ん中で二つに折ったとしてしても、同じく両端がそれぞれN極とS極になっている棒磁石が二つできるだけの事であり、N極とS極のみを単純に取り出す事はできない。電磁石を考えれば、この事は容易に理解できる。電磁石は電流を流したコイルであり、これを二つに分割しても、巻き数が半分になった電磁石が二つ生まれるだけである。永久磁石についても、それを構成する物質の原子が電磁石と同じ働きをしているものであり、原理としては同じである。マクスウェルの方程式により代表される古典電磁気学はこの前提のもとに構成されている。

その一方で、電気については、プラスとマイナスのふたつが存在し、これらは単独で取り出す事が可能である。これは電気の根元がプラスの陽子とマイナスの電子に由来しているからである。そして、古典電磁気学は電気と磁気の関係について対称であり、この関係を逆にする事が可能である。普通は、コイルを流れる電気によって磁力を発生する、言い換えれば円周上を周回する電子の運動によって磁界が生じる。これを、磁気単極子が円周上を周回する事によって電界が生じるというモデルに置き換える事ができるのである。つまり、マクスウエルの方程式は磁気単極子の存在を許すように容易に改変出来る。さらに1931年にディラックは量子力学でも磁気単極子を考えることが可能であり、しかもそれが可能になるための条件から磁荷の最小単位が定まることを示して磁気単極子が一躍注目をあびた。

磁石の用途

日常の電化製品でよく見かける磁石の用途として、モーターやスピーカーが挙げられる。これらは永久磁石と電磁石を用いて、電気エネルギーを回転や空気の振動といった力学的エネルギーに変換している。

カセットテープ、ビデオテープ、ハードディスクといった記録メディアは磁化された向きによって情報を記録している。情報の読み出しには電磁誘導や巨大磁気抵抗効果 (GMR)、ごく最近になってトンネル磁気抵抗効果 (TMR) が利用されている。

電子顕微鏡の電子レンズや粒子加速器などでは、磁石は電子などの荷電粒子を狙った方向に曲げるために用いられている。また、トカマク型などの核融合では高温のプラズマを封じ込めるためにも用いられている。

また5cmくらいの棒状のアルニコ磁石は、牛に飲み込ませて第3胃内の針金など鉄片を束状に吸着させ創傷性心膜炎を予防するために使われる。

その他、磁石はリニアモーターカーの磁気浮上や、リードスイッチやMRセンサーなどの非接触センサーと共に用い近接感知、位置決め等の用途、核磁気共鳴画像法といった医療用途にも利用されている。

反磁性

反磁性(はんじせい、Diamagnetism)とは、磁場をかけたとき、物質が磁場の逆向きに磁化され(=負の磁化率)、磁場とその勾配の積に比例する力が、磁石に反発する方向に生ずる磁性のことである [1] 。 反磁性体は自発磁化をもたず、磁場をかけた場合にのみ反磁性の性質が表れる。反磁性は、1778年にバーグマン (S. J. Bergman) によって発見され、その後、1845年にファラデーがその性質を「反磁性」と名づけた。

原子中の対になった電子(内殻電子を含む)が必ず弱い反磁性を生み出すため、実はあらゆる物質が反磁性を持っている。しかし、反磁性は非常に弱いため、強磁性や常磁性といったスピンによる磁性を持つ物質では隠れて目立たない。つまり、差し引いた結果の磁性として反磁性があらわれている物質のことを反磁性体と呼ぶに過ぎない。

このように、ほとんどの物質において反磁性は非常に弱いが、超伝導体は例外的に強い反磁性を持つ(後述)。なお、標準状態において最も強い反磁性をもつ物質はビスマスである。

常磁性

常磁性(じょうじせい、Paramagnetism)とは、外部磁場が無いときには磁化を持たず、磁場を印加するとその方向に弱く磁化する磁性を指す。熱ゆらぎによるスピンの乱れが強く、自発的な配向が無い状態である。

強磁性や反強磁性を示す場合でも、ある温度以上になると、スピンは互いにでたらめの方向を向くようになって常磁性を示すようになる。この温度を強磁性ではキュリー温度、反強磁性ではネール温度という。

プラスチック磁石

プラスチック磁石(プラスチックじしゃく)は、素材がプラスチックでできている磁石のことを指す。普通の磁石が使えない場面での用途が期待される。

簡便に、様々な種類の磁石を粉末にして混ぜ合わせ、ゴムなどと一緒に練ったボンド磁石をプラスチック磁石と呼ぶことがある。

磁性素材そのものがプラスチックである例としては、エメラルディンベースのポリアニリン (PANi) 骨格上に電子受容体であるテトラシアノキノジメタン (TCNQ) の構造を持たせた磁性ポリマー (PANiCNQ) から作られた非金属の磁石が知られる。2004 年にイギリスのダラム大学の研究者によって発明された。窒素を含む π共役系構造を持つ PANi は空気中でも安定な導電性高分子であり、そこへアクセプタ分子である TCNQ の構造を導入することで、フリーラジカルが発生して金属磁石と非常に良く似た性質を示す。

強磁性

強磁性 (きょうじせい、Ferromagnetism) とは、隣り合うスピンが同一の方向を向いて整列し、全体として大きな磁気モーメントを持つ物質の磁性を指す。そのため、物質は外部磁場が無くても自発磁化を持つことが出来る。

室温で強磁性を示す単体の物質は少なく、鉄、コバルト、ニッケル、ガドリニウム(18℃以下)である。

単に強磁性と言うとフェリ磁性を含めることもあるが、日本語ではフェリ磁性を含まない狭義の強磁性をフェロ磁性と呼んで区別することがある。なおフェロ (ferro) は鉄を意味する。

電子スピンによる磁性

不対電子(ふついでんし) 多くの原子が2つずつ対となる電子を電子軌道に留めている。これら、対となる電子はその各電子のスピンをそれぞれの電子がお互いに打ち消しあうために、外部から見て磁気は発生しない。つまりヘリウム原子は1s軌道に2つの電子が入って対(つい)となっているので磁気は生じない。水素原子は1s軌道に電子が1つしかない、つまり不対電子であるために磁気を生じる。これは、単独の原子の場合であるが、たとえばヘリウム原子はイオンとなってHe+の状態では1sに不対電子が生じるので磁気が生じる。また、水素原子も2つ集まったH2という水素分子になれば、共有結合の1s電子がお互いの1s軌道を埋めあうために不対ではなくなり磁気は生じなくなる。水素分子H2が酸素原子Oと化合した水分子H2Oも水素原子の1s軌道が少し曲がったくらいでは磁気は生じない。

より重い原子では、3d軌道や4f軌道に不対電子があるために磁性が生じている場合が多い。その典型は、鉄である。26Fe3+は3d軌道の1個と4s軌道の2個の電子が欠けることで3d軌道の5個の電子がすべて不対電子となる。これは受け入れられる電子が多い電子軌道の特徴的な差であり、単純なs軌道では対となればスピンを打ち消しあうがd軌道では5つの電子がすべて同じ方向のスピンを持っており強い磁性を発揮する。3d軌道に外殻電子を持つ電子がイオンとなると鉄同様の強い磁気を持つ。これらのイオン原子を磁気イオンという。22Ti3+、24Cr3+、25Mn2+が磁気イオンである。面白いことにd軌道の閉殻となる数10の半数の5がちょうど26Fe3+でここで磁気のピークとなりあとはd軌道に(6は欠番)7個電子が入った27Co2+、8個入った28Ni2+、 9個入った29Cu2+と続き、不対電子が減ることで順に磁気は弱くなる。30Zn2+では3d軌道に電子が10個すべて埋まるために不対電子が無くなって磁気は発生しなくなる。

ここ迄は、原子や分子、イオン単体の場合であるが、もっと大きな集団の場合を考える。 磁気イオンがイオン結晶となれば、磁性は各磁気イオンに温存されるので磁気は局在して発生する。これを局在電子という。またイオン状態ではなく鉄などの強磁性体が単なる金属のかたまりとなった場合は、金属特有の伝導電子が原子の間に漂っているので、不対電子が局在できず、そのために磁気は金属全体に広がって発生する強磁性の電子伝導モデルといわれる状態になる。

磁鉄鉱

磁鉄鉱(じてっこう、magnetite、マグネタイト)は、鉱物の一種。鉄分を含むため黒色をしており、金属光沢がある。組成 Fe3O4。比重 5.2。モース硬度 5.5 – 6.5。等軸晶系。結晶は正8面体をしている。スピネルグループの鉱物。

強い磁性を持っているのが特徴で、磁鉄鉱そのものが天然の磁石になっている場合もある。火成岩中にごく普通に含まれる、造岩鉱物の一種である。鉄の重要な鉱石鉱物。

産出地・用途

主要産地は、インド、オーストラリア、ロシア、イラン、中国、チリ、ペルー、カナダ、アメリカ合衆国(タコナイト)、アフリカ。基本的には、全世界どこでもあるが、きわめて低品位。商業用に使用するには、不純物を取り除き、鉄の含有量を上げる選鉱処理が必要。

砂鉄や餅鉄として自然に採取される磁鉄鉱は、かつて踏鞴製鉄の原料として盛んに利用された。

中医学では、毒性のある辰砂の代用として、鎮静・催眠のために用いられる。

白金磁石

白金磁石は、白金を主原料として製造された磁石。白金(約70%)に、鉄やニオブ、コバルトなどを加えて鋳造する。金属であるために製造が容易であり、また形状や加工の自由度も大きい。金属磁石では最も強い磁気性能を持つが、希土類磁石よりもやや劣る。白金を含むため非常に高価である。

希土類磁石が開発される以前から高級な時計やステレオなどに使用されていたほか、科学的に安定していることから人体への影響が少なく、健康器具や医療器具への利用も行われている。

プラセオジム磁石

プラセオジム磁石(PrCo5)は、プラセオジムを主成分とする磁石。希土類磁石。物理的な強度が非常に大きく、白金磁石と同様に割れや欠けがない。穴を開けたり一部を切り取るなど複雑な加工が可能で、高温に熱することによって曲げることも可能である。錆びにくいのも特徴。

コバルトを使用するため価格が高く、より磁力が強く低価格なネオジム磁石が普及したためあまり使われていない。

磁気記録

磁気記録(じききろく、英: magnetic recording)または磁気記憶(じききおく、英: magnetic storage)は、データを磁気媒体に記録/記憶することを指す工学用語。磁気記録を行う電子媒体を磁気媒体、磁気記録を行う装置を磁気記憶装置と呼ぶ。磁気記録は磁性体における様々な磁化パターンを使ってデータを格納することで、一種の不揮発性メモリを形成している。情報へのアクセスには1つ以上の磁気ヘッドを使う。2009年現在、ハードディスクドライブに代表される磁気記憶装置はコンピュータの記憶装置としてだけでなく、音声やビデオ信号の記録にも広く使われている。コンピュータ分野では「磁気記憶」、音声やビデオの分野では「磁気記録」と呼ぶことが多い。これらの間に技術的な区別はほとんどない。

ネオジム

ネオジム(Neodymium) は原子番号 60 の金属元素。元素記号は Nd。漢字では釹。希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。

ネオジム(Neodym)とは、ドイツ語の表記である。なお、ネオジムのことをネオジウムと呼ぶことが多いが、呼び名としては間違いである。

ネオジムを含む希土類元素産出国は中華人民共和国で、約98%を誇る。近年、希土類元素の価格は、中華人民共和国の鉱物資源政策の変化により外国への輸出量が縮小され高騰している。

性質
銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は、六方最密充填構造 (HCP)。比重は、7.0、融点は 1024℃、沸点は 3027℃。

常温で空気中において表面のみが酸化され、高温では燃焼して淡赤紫色の Nd2O3(酸化ネオジム)となる。ハロゲン元素と反応しハロゲン化物NdX3を、熱水と徐々に反応して水素および水酸化物を生成する。酸には易溶で3価の淡赤紫色の水和イオンNd3+(aq)を生成する。安定な原子価は4f3の電子配置である +3価。

用途
ネオジムはYAGレーザーの添加物として利用される。Nd2O3はガラスの着色剤に使われる。ネオジムで特に重要なのは、ネオジム、鉄、ホウ素の化合物(Nd2Fe14B)が大変強力な永久磁石・ネオジム磁石となることで、いろいろな分野で利用されている。そのほか、超伝導体の材料としても使われる。

磁鉄鉱

磁鉄鉱(じてっこう、magnetite、マグネタイト)は、鉱物の一種。鉄分を含むため黒色をしており、金属光沢がある。組成 Fe3O4。比重 5.2。モース硬度 5.5 – 6.5。等軸晶系。結晶は正8面体をしている。スピネルグループの鉱物。

強い磁性を持っているのが特徴で、磁鉄鉱そのものが天然の磁石になっている場合もある。火成岩中にごく普通に含まれる、造岩鉱物の一種である。鉄の重要な鉱石鉱物。

産出地・用途

主要産地は、インド、オーストラリア、ロシア、イラン、中国、チリ、ペルー、カナダ、アメリカ合衆国(タコナイト)、アフリカ。基本的には、全世界どこでもあるが、きわめて低品位。商業用に使用するには、不純物を取り除き、鉄の含有量を上げる選鉱処理が必要。

砂鉄や餅鉄として自然に採取される磁鉄鉱は、かつて踏鞴製鉄の原料として盛んに利用された。

中医学では、毒性のある辰砂の代用として、鎮静・催眠のために用いられる。

サマリウムコバルト磁石

サマリウムコバルト磁石(サマリウムコバルトじしゃく、samarium-cobalt magnet)は、サマリウムとコバルトで構成されている希土類磁石(レアアース磁石)である。サマコバ磁石と略されることもある。組成比の異なる SmCo5(1-5系)とSm2Co17(2-17 系)がある。「1-5系」は高価なサマリウムの比率が高いため、「2-17系」の登場以降あまり用いられなくなってきた。硬度が低いためにもろい。1970年代前半に開発された。

最も強いネオジム磁石に次ぐ磁力を持つ。ネオジム磁石の方が価格が安く性能もよいが、磁性がなくなる温度であるキュリー温度がサマリウムコバルト磁石の方が700度~800度と非常に高く、最大で摂氏350度程度までの環境でも使用できるため、高温での用途で用いられる。

水分が十分に飛んでいて表面が研磨されている状態であれば、低い温度で発火することがあるため火災に注意する必要がある。

超伝導電磁石

超伝導電磁石(ちょうでんどうでんじしゃく、superconducting magnet)とは、超伝導体を用いた電磁石のことである。超伝導体は電気抵抗がなく発熱の問題もないので、通常の電磁石よりも強力な磁力を発生させることができる。核磁気共鳴画像法 (MRI) ですでに実用化されており、もっとも超伝導現象を一般的に用いているものである。今後は磁気浮上式鉄道での実用が期待されている。超伝導磁石と書かれることもあり、工学分野では超電導電磁石(超電導磁石)とも書かれる。

超伝導体は電気抵抗がゼロであるので永久に電気が流れ続け、発熱の問題もなく強力な磁力を発生させることができる。通常の金属を用いた電 磁石 で強い磁場を発生させるには大電流を流す必要があり、電気抵抗からくる金属の発熱という問題がでてくる。金属は温度が上がるにしたがって電気抵抗が上がる性質があるので、発熱すると抵抗が上がり続けるために流せる電流には限界がある。超伝導体は発熱しないという利点があるが、磁場に弱いという欠点がある。臨界磁場(超伝導現象を保てる磁場の限界)を越える磁場を発生させると超伝導現象は消失してしまう。外部から同等の磁場をかけた場合にも同じく超伝導現象は消失する。そのため材質には外部磁場に強い第二種超伝導体が用いられる。
超伝導体は転移温度(超伝導と常伝導の境目の温度)よりも温度を下げるほどに臨界磁場は高くなるので、材質の転移温度よりもずっと低い温度で使用されている。冷却剤には4.2K(ケルビン)の液体ヘリウムが多く使用されている。
何らかの原因により、超伝導現象が消失した場合(クエンチ)、急激に電気抵抗が発生してしまい、発熱により超伝導体が破損する恐れがあるために、超伝導線の周りには銅線も通してあるものもある。この銅線は安全性を高めるために必要であり、超伝導現象が壊れたときに、超伝導体の代わりに電気を流す役目がある。通常から銅線にも電気が流れることになるが、電気は超伝導体を優先的に流れるためにそれほどの抵抗にはならない。

電磁石

電磁石(でんじしゃく、electromagnet)は通常、磁性材料の芯のまわりに、コイルを巻き、通電することによって一時的に磁力を発生させる磁石である。機械要素として用いられる。電流を止めると磁力は失われる。

1825年にイギリス人の電気技術者である ウィリアム・スタージャンによって発明された。 最初の電磁石は蹄鉄形をしている鉄に数回ほど緩く巻いたコイルであった。 コイルに電流を流すと電磁石は磁化し、電流を止めるとコイルは反磁化した。

永久磁石と比較したときのメリットは、通電を止めることによって、ほぼ磁力を0にすることができることと、同じサイズの永久磁石より強い磁力を発生することができることである。また、永久 磁石 に比較して莫大な磁力を得ることができる。また電流の向きを変えることによって、磁石の極を反対にすることができる。欠点は、電流を流し続ける必要があることである。この欠点は超伝導を使えば解決できるが、かなりの低温が必要なので日常で使うのは難しい。

用途は、スイッチのオンオフで開閉する電磁弁、電流信号によってスイッチを制御する継電器(リレー)などがある。

おおざっぱにいえば、電磁石の発生する力は、コイルの巻き数とコイルに流す電流の大きさに比例する。ただしコイルの巻き数を増やすと電線が長くなるが、直流で駆動する場合、電気抵抗も同じように増加するため、電圧が同じであれば電流が減るという関係になっている。鉄芯についていえば、鉄芯の材質の透磁率、および断面積が大きいほど強い磁力を発生することができる。このため永久磁石に比べて安価である。

アルニコ磁石

アルニコ磁石(Al-Ni-Co)は、アルミニウム (Al)、ニッケル (Ni)、コバルト (Co) などを原料として鋳造された 磁石 (鋳造磁石)である。「アルニコ」の名前の由来は、各元素記号を単純に並べたものである。鉄や銅などを添加物として加えることがあり、強い永久磁石として利用される。

20世紀半ばまで主流の磁石であったが、やがて安価で造形の容易なフェライト磁石などに主役の座を奪われた。

用途

アルニコ磁石は電動機やセンサなどに主に使用されるほか、変わった用途として5cmくらいの棒状にしたアルニコ磁石を、牛に飲み込ませて第3胃内の針金など鉄片を束状に吸着させ創傷性心膜炎を予防するために使われる。

磁器

磁器(じき)とは、高温で焼成されて吸水性がなく、叩いた時に金属音を発する陶磁器を一般に指す。しかし西洋などでは陶器と区別されない事が多く、両者の間には必ずしも厳密な境界が存在するわけではない。素地が白くて透光性があり、機械的強さが高いという特徴がある。また、焼成温度の高い硬質磁器と、比較的低温で焼成される軟質磁器に分けられる。

キュリー温度

キュリー温度(―おんど、Curie temperature、記号Tc)とは物理学や物質科学において、強磁性体が常磁性体に変化する転移温度、もしくは強誘電体が常誘電体に変化する転移温度である。キュリー点(―てん、 Curie point)とも呼ばれる。ピエール・キュリーより名づけられた。

ボンド磁石

ボンド磁石は、フェライト磁石などの磁石を砕いてゴムやプラスチックに練り込んだ柔軟性のある磁石のこと。ゴム磁石、塩ビ磁石、プラスチック磁石などとも呼ばれる。板状にして表面に加工を行うとホワイトボードとしても利用できるほか、冷蔵庫のドアシールとしても利用される。加工が容易であり、はさみやカッターナイフでも簡単に切ることができる。

希土類ボンド磁石

ネオジム磁石やサマリウム鉄窒素磁石を用いたボンド磁石は、通常の(焼結型)フェライト磁石と比較しても磁力が強く、複雑な形状に加工できるので、小型モーターなどに使われる。

テスラ

1テスラは、「磁束の方向に垂直な面の1平方メートルにつき1ウェーバの磁束密度」(計量単位令による)と定義される。すなわちウェーバ毎平方メートル (Wb/m2)に等しい。

ウェーバ:

ウェーバ(weber, 記号:Wb)は磁束の単位で、SI組立単位の一つである。ドイツの物理学者ヴィルヘルム・ヴェーバーに因んで命名された。

ウェーバは、ある閉曲線を通過する磁束の変化とその閉曲線のまわりの電界とを関連づけるファラデーの電磁誘導の法則に基づいて定義することができる。1秒あたり1ウェーバの磁束の変化は、1ボルトの起電力を生ずる(E-B対応の場合)。

なお、現在では主流ではないE-H対応の電磁気学においては、磁荷を基本として磁気に関する理論を組立、この場合には1Wbは磁荷の大きさを表す単位として考えられる。E-H対応の理論においては、 「真空中の磁荷A,Bの距離が1mのときに、6.3×104N の力が生じ、かつ、A,Bの大きさが等しい時」の磁荷の大きさを1Wbと呼ぶ。(E-B対応とE-H対応を参照のこと)

SI基本単位で表すと、ウェーバの次元はkg·m2·s−2·A−1となる。他の組立単位で表すと、V・sまたはT・m2となる。

1ウェーバは、108 マクスウェルに等しい。

ガウス

ガウス(gauss, 記号:G)は、CGS電磁単位系・ガウス単位系における磁束密度の単位である。その名前は、ドイツの数学者であるカール・フリードリヒ・ガウスに因む。

1ガウスは、磁束の方向に垂直な面の1平方センチメートル(cm2)につき1マクスウェル(Mx)の磁束密度と定義されている。すなわち、ガウスはマクスウェル毎平方センチメートル(Mx/cm2)と表すことができる。

ガウスの定義において、平方センチメートルを平方メートル(m2, 1m2 = 104cm2) に、マクスウェルをウェーバ(Wb, 1Wb = 108Mx)に置き換えると、SIの磁束密度の単位であるテスラ(T)になる。すなわち 1 T = 104 G, 1 G = 10-4 T となる。例えば1300ガウスは0.13テスラ(または130ミリテスラ)となる。

当初「ガウス」という言葉は磁場の強さの単位として用いられていた。1932年に、ガウスは現在の定義とされ、それまでのガウスはエルステッドに変更された。この変更は、磁気誘導と磁場の強さとを区別するために導入されたものである。なお、電磁単位系とガウス単位系では透磁率が無次元量なので、磁場と磁束密度は次元が同じであり、単位の区別は約束事にすぎない。

一般にはガウスは「磁石の強さ」を表す単位として広く知られていた。SIにおいてはガウスは非推奨の単位となっており、SI組立単位であるテスラの使用が推奨されている。日本においては、SIへの移行を目的として1993年に施行された新計量法において、磁束密度の単位にはテスラを使用することが定められた。それまで使われていたガウスは、約4年の移行期間を経て1997年10月1日以降、商取引等での使用が禁止されている。

フェライト磁石

酸化鉄を主原料にしてバリウムやストロンチウムなどを微量加えて焼き固めて作る化合物。焼き固めた後に1μmほどの粒子に粉砕したものを成型し焼結する窯業製品である。ハード・フェライトでは焼結後に電磁石によって着磁することで永久磁石とする。比較的強い磁性を持ちながら安価なため、様々な用途に用いられる。

近年は特性を向上させるために、ランタンやコバルトを加える物も製造されている。

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保磁力

保磁力(ほじりょく, Coercivity)は磁化された磁性体を磁化されていない状態に戻すために必要な反対向きの外部磁場の強さをいう。 抗磁力(こうじりょく)ともいう。

保磁力の単位には、CGS単位系ではエルステッド [Oe] 、SI単位ではアンペア毎メートル [A/m] をもちいる。1 [A/m] は 4π×10-3 [Oe] である。

強磁性体を外部磁場の中にいれて外部磁場を大きくしていくと、磁性体は着磁される。そこから外部磁場を減少させていっても、磁性体に着いた磁力の強さは、着磁時のカーブにのって減少することはなく、ヒステリシスをもつ。 外部磁場がゼロになったとき、残っている磁化を残留磁化という。さらに逆向きの磁場を加えて、残留磁化がゼロになったときの外部磁場の強さが保磁力である。

永久磁石の材料としては保磁力が大きいことが望ましく、変圧器の磁芯などの用途では、逆に小さいことが望ましい。 保磁力は外部磁場による磁壁の動きやすさによって決まるので、材料の組織の大きさ、残留ひずみの量などで変化する。

なお、磁力を失わせることを消磁(しょうじ, Degaussing)と言う。

電磁石

磁石(でんじしゃく、electromagnet)は通常、磁性材料の芯のまわりに、コイルを巻き、通電することによって一時的に磁力を発生させる磁石である。機械要素として用いられる。電流を止めると磁力は失われる。

1825年にイギリス人の電気技術者である ウィリアム・スタージャンによって発明された。 最初の電磁石は蹄鉄形をしている鉄に数回ほど緩く巻いたコイルであった。 コイルに電流を流すと電磁石は磁化し、電流を止めるとコイルは反磁化した。

永久磁石と比較したときのメリットは、通電を止めることによって、ほぼ磁力を0にすることができることと、同じサイズの永久磁石より強い磁力を発生することができることである。また、永久磁石に比較して莫大な磁力を得ることができる。また電流の向きを変えることによって、磁石の極を反対にすることができる。欠点は、電流を流し続ける必要があることである。この欠点は超伝導を使えば解決できるが、かなりの低温が必要なので日常で使うのは難しい。

用途は、スイッチのオンオフで開閉する電磁弁、電流信号によってスイッチを制御する継電器(リレー)などがある。

おおざっぱにいえば、電磁石の発生する力は、コイルの巻き数とコイルに流す電流の大きさに比例する。ただしコイルの巻き数を増やすと電線が長くなるが、直流で駆動する場合、電気抵抗も同じように増加するため、電圧が同じであれば電流が減るという関係になっている。鉄芯についていえば、鉄芯の材質の透磁率、および断面積が大きいほど強い磁力を発生することができる。このため永久磁石に比べて安価である。

マグネット シート

マグネット シート

磁石 粉末を練りこんで成型、着磁したマグネット シート。

フェライト磁石にくらべ磁力はかなり弱くなる。

マグネット シートはゴム状のため、容易にカット出来る。

磁束密度

磁石 の磁束密度(じそくみつど、magnetic flux density)とは、文字通り磁束の単位面積当たりの面密度のことであるが、単に磁場と呼ばれることも多い。記号 B で表され、透磁率 μ と磁場の強さ H の積である。磁場はベクトルであるので、磁束密度もまたベクトル量である。単位はテスラ(T)、もしくはウェーバ毎平方メートル(Wb/m2)である。